魔法科アニメ2期8話感想
脚本:中本宗応(ライトワークス)
絵コンテ:清水 聡
演出:佐々木達也
総作画監督:豆塚 隆
原作11巻70p~156pまで
アバン
・2096年2月16日(木)
アニメ「本日未明、房総半島沖でUSNA海軍所属の小型艦船が防衛海軍に保護されました。この艦船は機関トラブルによって漂流していたとみられていますが、USNA東京大使館の高級武官が乗り込んでいたことから、防衛海軍ではUSNA軍に事実関係を…」
コミカライズを真似て、地の文をアナウンサーにニュースとして読ませる形に変更されていて分かりやすくなってますね。原作では「千葉県沖」表記でしたがアニメでは「房総半島」に。あと高級武官が乗っていたのは原作では伏せられています。
・11巻71p「自分の言葉を疑う様子もなく頷く妹の無垢な姿を見ていると、自分の汚れ切った心まで洗われていくような気がする」
アニメでは頷いていない。かわりに深雪さんに「なるほど、そうなのですね」のセリフを追加している。
・「自分の汚れ切った心まで洗われていくような気がする」を、「目を細めて穏やかに妹を見つめる」という形で表現してますね。深雪さんと話している時の声は穏やかで、モノローグで考え事している時の声は冷たい、この差が良い。
・兄妹の服装はコミカライズから。達也は朝の修行後なのでこの格好。
アニメ「それでは着替えてまいりますね」
コミカライズ「学校へ行く支度をしてきますね」
原作ではセリフはない。
・ここの服装は7話のものですね。コミカライズはそのまま。
原作では真夜から連絡があったのは朝なんですが、アニメのこれは昨晩連絡が来たと解釈するべきか?部屋も暗いし服装も昨夜のものだし。
・睫毛ポイント
・ここは3話のカットされた深雪さんのモノローグシーンのコミカライズの一枚絵を真似たものと思われ。
コミカライズでは「深雪が達也を縛っている」意味での鎖だったが、アニメでは「四葉が深雪を縛っている」表現になってますね。
・比較。微妙に下着のデザインが違う。
ここカットすると思ってました。なぜここカットしないのに3話のモノローグはカットしたのか?達也の役の立ちたいって意味のある3話のモノローグのほうが重要な気がするんですが。
Aパート
・原作ではピクシーに制服を着せて実験棟の空き教室に連れていますが、アニメではロボ研のガレージ内みたいですね。
・「いき」は「息」ではなく「生気」。原作に倣って「いき」読みしてますね。コミカライズでは「せいき」読みしてます。「せいき」のほうが伝わりやすかったんじゃないかなあと思う。「息」と思った視聴者が大半だろう。
パラサイトの数についてカットされてますね。
・原作ではピクシーは仲間との接続が切れていて感知できない(相手が活性化すれば感知可能)ことになっているが、アニメでは「仲間が自分を探している思念波」は感じ取れる形に変更になっている。
ピクシーに宿ったパラサイトはロボットの体、非生命体に宿ったので、生物の本能「生き延び、数を増やす」という欲求が生まれないんですね。それが他のパラサイトたちの目的に沿わない異端な存在なわけで、狙われる可能性が高いと…その辺「仲間が自分を探している思念波を感じる」にまとめた感じかな?
・原作ではこの後にエリカが「達也が四葉の関係者」であると気が付いてしまうシーンがありましたがカット。修次のシーンを丸々カットしてたので予想はしてましたがやっぱりカットされましたねえ。パラサイトに関係ないからだろうか。
。96p「放射状に配置された九台のベッド」
・横たわっているのは全員男、原作通り
・謎ダンス。なんなんでしょうねこれ。何なんでしょう。
・「欠けている一人」で起き上がっていない個体を映すのはコミカライズに似せてますね。分かりやすくて良い。本来この体にピクシーのパラサイトが入る予定だったんですね。
・原作ではこのシーンのあとに達也と葉山の通信があったがカット。七話で達也を監視していたUSNA軍とは別組織、第三課(国防軍情報部防諜第三課)がパラサイトを狙っているので気をつけろ、と忠告される話。
・バッグを置く音で場面転換するの面白いですね。謎ダンスシーンの足音と繋げているんでしょうか?
・原作では「上半身は肌色のレオタードを着た女性」とありますが、アニメは結構メカっぽく描いてますね。
・青いオーラ、やっぱり浮いて見えるのでやめて欲しかったですね…。
深雪さんの演出はもうちょっと控えめで良いと思うんだよなあ…「静」のヒロインなので…
・原作では深雪さんが達也に後ろを向かせてますが、アニメでは達也単体で後ろ向いてますね。
ちなみに達也たちが胸元に付けているのは夜間構内許可証です。
深雪:ハーフコートにストレッチパンツ、ロングブーツ(105p)
ほのか:上半身はハーフコート。コートの下に見えるのはタートルネックのセーター。ただしボトムは丈の長いストレッチパンツではなくミニのキュロットに厚手のレギンスを組み合わせていた。キュロットはハーフコートの裾にちょうど隠れる長さなので、少し見ただけではレギンスの下に何も来ていないようにも見える。(117p)
ピクシー:襟を立てるタイプのオーバージャケットの下に、伸縮性の高いセーター、ヒップラインを隠す三段フリル付きの膝上丈スカート(109p)
・ほのかは制服で来ていたので、一度自宅に帰って着替えるシーンがありましたがカット。
・比較
・原作では胸をたたいていますが、アニメはガッツポーズ?コミカライズに倣ってますね。
・今回の作戦は事前にエリカと幹比古にサポートを依頼していることが地の分で書かれていますが、アニメでは「レオとエリカ、幹比古にも行き先をしらせておくとするか」とセリフにしている。何気にレオの名前が追加されてますね。良き。
Bパート
・エリカが修次と会話、ここもカットされてますね。もしや二期には一切修次を出さないおつもりで…?
原作ではエリカは自室にいますが、アニメでは道場にいますね。
・エリカのスマホは赤
・ここのエリカの話し方めっちゃカッコいい。内山さん、エリカでこういう演技できたのか…こういうのずっと欲しかった…何回も聞いちゃう…
・大佐が妙にエロい…
バランス大佐のシーンとと第三課のシーン入れ替えてますね。原作では第三課のシーンが先に来ます。
・バランス大佐が容姿や学歴よりも個人戦闘力で選んだ、信頼をおける部下。名前なんて言うんでしょうね?EDのクレジットに声優の表記すらない。
原作8巻読んでない人には今回のお話は分かりにくそうだ…。もし日本政府を裏切りテロリストとなれば、四回目の世界大戦の引き金を引くことになる…と世界中から恐れられる一族が四葉です。
この畏怖を利用してわざと四つ葉に似せた名前を付ける企業もあるとかないとか。
・亜夜子ちゃんアニメ初登場。かわいい。声優はロストゼロと同じ、内田真礼さん。
原作ではドアホンのモニターから亜夜子を確認してましたが、アニメではカットしてそのまま入室してますね。尺短縮。
服装は原作では「クラシックなドレス姿」とありますが、アニメでは原作に合わせてゴシックロリータ調。
「お目にかかれて光栄ですわ。ミズ・バランス」の言い方めっちゃ好き。
「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」はアニオリですね。
・原作では亜夜子はバランスを「ミズ」呼びしていますが、アニメでは「大佐」呼びになってますね。「大佐」と呼ばないのは「USNA軍」でも「スターズ」でもなく「ヴァージニア・バランス」個人に交渉に来たからそれを強調するためだと思ってたんですが…。
原作の「バランス大佐は、美しい少女の容姿(かたち)をした悪魔の差し出す契約書に、サインをすることを決意した」(130p)ってとこ好き。
あとバランス大佐の返事、コミカライズは「いいでしょう」で、アニメは「いいだろう」で違ってますね。原作にはセリフはない。
・コミカライズでは亜夜子の顔に前髪の陰がかかって妖しい雰囲気ですが、アニメでは光源のあるほう(明るいほう)に亜夜子が座っていて、有利なのは亜夜子のほうだと見た目てきにも分かりやすくなってる印象出てますね。構図はコミカライズと同じですが、遠近感が増してる…といえばいいのか?見映えが増してますね。レイアウトが上手い。
・こう並べると真夜さまに似てますね。
・国防軍情報部防諜第三課。7話で達也を監視していた一派の一つの関係者で、リーナのバックアップチーム(車に乗っていたほう)を連れ去った連中(艦船のほうは四葉)で、七草家の仲間です。七草家は第三課を使って達也を監視し、パラサイトを捕獲しようとしています。この辺もうちょい説明あったほうがよかったような?
・「妹を連れてデートとは変わった趣味だな」
このセリフ採用されてて草不可避。でもいいチョイスだと思います。原作曰くこの諜報員たちは高校生が監視対象なので、ちょっと気が緩んでるそうで、この冗談っぽいセリフが気の抜き加減をうまく表現してるんじゃないかなと思うのです。
・第三課のシーンと達也が監視に気が付くシーンは別シーンなのだが、アニメはつなげて一つにしてますね。上手い。
・コミカライズと諜報員の人数は同じですが、いる場所がちがいますね。原作には四人と記述はありますが、いる場所の記述はありません。
・「この気配は…防諜第三課だな」
原作ではここの監視が第三課なのか気が付いている描写はありませんでしたが…分かりやすくする配慮ですかね。
・持ってる端末は魔法を探知するもの
・比較。かわいい。
・ほのかが使ったのは洗脳用魔法「邪眼(イビルアイ)」。1期で出た敵組織のリーダー・司一も使っていた魔法ですが、スピードも制度もほのかのほうがはるかに上です。
暗示内容が「眠らせる」だけだったので達也は阻止しませんでしたが、洗脳魔法を使うことは懲役刑は免れないレベルで危ないこと…原作では達也はほのかを連れてくるべきではなかったと後悔しています。気が付かず喜んでるほのかよ…。
・七草と千葉の依頼で、魔法の無断使用の罰をもみ消すために、監視システムにデータが残らないよう処理しています。今までは真由美さんが担当していましたが受験生なので藤林さんが代役をしています。
・光のエレメンツの血統の話がその後のピクシーのサイキックに繋がる…というのを意図してここカットしなかったんですかね?
・141p「深雪が情報端末のCADを構えて背中合わせに立ち、左手に巻いたブレスレット形態のCADに右手を添えたほのかが、達也の隣で前と後ろを交互に見ている。
おもったよりオーバーリアクションでちょっと笑ってしまいました。もうちょっと控えめでいいのに…
・ここのマルテの表情変化、眉がぴくッと動いて目を少しだけ細めることで「気いらない」ことを表現してるよくあるやつなんだけど、こういうのを深雪さんにも使って欲しかったなってのを1期の頃何度も思ってたのを思い出したので一応書いておく。
具体的に言うと1期2話、服部が達也を無視して深雪さんにだけ挨拶をするのを見て、深雪さんがムッとするときのこの顔です。淑女である深雪さんが上級生を前に分かりやすく不快感を出すのは子供っぽくて解釈違いだったんです。8話のマルテのような、静かに怒っているのが理想だったんです。
・ほのかはともかく、深雪さんはもう少し静謐な顔つきと佇まいにできなかったものか…
・比較
・マルテがのたうち回るシーン、めっちゃ痛そう。足バタバタするの分かる。
・比較
・服を凍らせて、そのあとに相手の領域干渉で抑え込んでいるんですが、アニメは分かりやすいように凍らせてますね。領域干渉が弱まった時も氷が解けるような表現をしています。コミカライズを参考にしたのかな。
・原作「足手まといには、決してならない」
コミカライズ「足手まといには、決してならない」
アニメ「私だって達也さんの力になりたい」
・コミカライズと戦ってる相手が逆になってますね。
・やっぱりパラサイト関連の会話は極力カットしない方針なんですね。
まとめ
★★☆☆☆
・レイアウトが良い。構成と尺短縮も上手い。しか修次関連全カットは残念でならない。
・深雪さんが淑女っぽくない。コミカライズを意識したせいかオーバーリアクションすぎる場面がところどころ…
・亜夜子ちゃんのシーンがすごくいい。
丁寧な作りだったと思うが、なんだろこう…やっぱり解釈違いだったんだろうな…深雪さんが…
深雪さんまとめ